地産都消事業とは、東京海洋大学 産学・地域連携推進機構 水産海洋プラットフォーム事業部門の活動のひとつです。

東京海洋大学 産学・地域連携推進機構には、東京水産大学と東京商船大学が統合する以前から、全国の皆様から「海の相談室」に地域産品の販路開拓の相談が多数寄せられてきました。地域ブランドの普及など産地の切実な悩みに対して、教育・研究機関である大学がどのような対応ができるのか検討し、できることからやってみようと平成18年度から始めたのが「全国水産都市フェア」です。

全国水産都市フェア」は、東京海洋大学品川キャンパス大学祭「海鷹祭」で行う年に一度(2~3日間)のイベントです。品川キャンパス大学祭は、東京水産大学時代から水産物の販売が行われていることで有名でした。その伝統を活用し、海鷹祭に水産物を介した産地と消費者の交流の場を設けようと企画されたのが「全国水産都市フェア」です。このイベントの特徴は、販売を行うのが水産都市・地域の皆様(生産者、加工業者、自治体関係者等)であることです。来場者は、水産都市・地域の皆様との交流をとおして、水産物だけでなくその地域の自然や文化のことも知ることができ、よりおいしく水産物を食べることができるようです。出展している水産都市・地域の皆様にとっても、何より海鷹祭来場者との交流が楽しい上に、大消費地である東京の人たちの好み、食生活や調理環境の変化を知ることができ、産地・産品のPRや商品開発に役立っているようです。また、この機会を活用した産地間交流が行われていることもよい効果を生み出しているようです。

しかし、全国水産都市フェアは年に一度のイベントなので、もっと持続的な地域産品の消費を促す普及活動ができないものかと始めたのが「ふるさと食材活用セミナー(旧・地域産品メニュー開発セミナー)」です。この活動は、(株)ぐるなびとの共同研究事業として開催していました(平成21年度~平成23年度)。地域産品に興味をもっている都市部の飲食店のオーナー・料理人を対象に、水産都市・産地の皆様(生産者、加工業者、自治体関係者等)が産品をプレゼンテーションする機会を設け、あわせて有名シェフに地域産品を活用したメニュー開発をしてもらい、そのレシピや活用のコツを参加者で共有することを特徴とする企画です。この企画は延べ12回にわたって開催し、好評のうちに終了することができました。この企画を検討・運営する中で得た知識や経験は、現在でも産学・地域連携推進機構の活動(研究成果の出口戦略の検討、六次産業化関連の事業、地方創生・地域振興関連の事業)に活かされています。

平成24年3月には、これらの地産都消事業の活動が評価されて、都市と農山漁村のオーライ(往来)の活性化事例を表彰する都市と農山漁村の共生・対流表彰事業「第9回 オーライ!ニッポン大賞」(農林水産省、都市と農山漁村の共生・対流推進会議(オーライ!ニッポン会議))で大賞を受賞しました。

産学・地域連携推進機構では、これからも、さまざまな機会をとらえて地産都消事業活動を継続して参ります。