医療・製薬・機能性成分関連

南極オキアミの食品開発への取り組み

研究者氏名和田 俊
所属東京海洋大学海洋学部食品生産科学科
出展属性アグリビジネス創出フェア2011 2011年11月30日(水)~12月2日(金)

栄養が豊富で資源量の多い南極オキアミを食品として利用する取り組みが、民間企業や国のプロジェクトとして約40年にわたって実施されてきました。
南極オキアミは、身が非常にやわらかく、食品加工が難しい等の問題点から、食品開発への道は険しいものでしたが、序々に南極オキアミを用いた食品も登場しつつあります。
日本水産は、南極オキアミ食品のパイオニアであるとともに、現在でも、その取り組みを積極的に続けています。ここでは、その取り組みの様子を少しご紹介します。

南極オキアミの食品開発への取り組み

南極オキアミの食品開発への取り組み

魚類養殖が世界を救う!!

研究者氏名長阪 玲子
所属東京海洋大学海洋科学部 食品生産科学科
出展属性第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京 2011年7月27日(水)~29日(金)

廃棄穀類糠には生活習慣病予防効果があることを明らかにしている.現在の魚類養殖では,高エネルギー飼料が大量に使用され,水圏環境に大きな負荷を与えるとともに,大量の食資源を浪費している.本技術によって,オリザノールを含む飼料やオリザノールに富む米糠を配合した飼料を魚類に投与すると

  • 養殖魚のエネルギー代謝を改善し,体重増加を早め,飼料効率の改善にも効果的
  • 魚肉の変色を防止することが可能.食品廃棄物量の軽減できる
  • 健康機能性のあるオリザノールが魚肉に蓄積した養殖魚を提供できる

これらのことから,穀類糠やオリザノールの添加によって養殖魚の品質および付加価値向上が可能となるだけでなく,その養殖魚を用いた生活習慣病予防が可能となる.また,本技術はすでにマグロにおいても適用できることを確認済みである,マグロは原油価格高騰・漁船燃料高騰・海外の漁獲規制などによって供給量減少を余儀なくされている中,海外諸国での需要による「買い負け」も含め,我が国が安定的にマグロを確保することが困難な状況にある.その中で,本技術は効率的なマグロの養殖方法を提供でき,養殖クロマグロの「早期出荷」「安定安価供給」「安心安全」および「生活習慣病予防・改善」を確立できる.

魚類養殖が世界を救う!!

魚類養殖が世界を救う!!

水圏動物皮から抽出された糖ペプチドの抗アレルギー活性

研究者氏名石崎 松一郎
所属東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科生体物質化学研究室
出展属性第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京 2011年7月27日(水)~29日(金)

糖鎖は核酸およびタンパク質に次ぐ「第三の生命鎖」として近年医療への応用が期待されている。しかしながら,糖鎖構造の複雑さなどの理由から糖鎖に関する研究は遅れている。また,従来の糖鎖研究は陸上動物に焦点を当てたものがほとんどであり,水圏動物の糖鎖の機能性を調べた研究例は極わずかである.そこで,本研究では水圏動物の糖鎖を対象とし,その機能性の解明を行うこととした.ゼロエミッションの観点から試料には大部分が廃棄されている皮を用いることとし,皮由来糖鎖のヒアルロニダーゼ阻害活性および肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用を調べたところ,皮由来糖ペプチドに抗アレルギー作用があることが明らかとなり,新たな抗アレルギー薬としての応用の可能性が期待されるところである.

水圏動物皮から抽出された糖ペプチドの抗アレルギー活性

水圏動物皮から抽出された糖ペプチドの抗アレルギー活性

食用キノコ水溶性成分が食品の黒変を防止する!~安全、安心な黒変防止技術~

研究者氏名大島 敏明
所属東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 食品栄養化学研究室
出展属性第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京 2011年7月27日(水)~29日(金)

食用キノコより抽出した水溶性成分による、食品の褐変、黒変防止技術についての研究です。
流通・販売の過程で問題となる、エビ・カニなどの甲殻類、および養殖ブリなどの褐変、黒変を防ぐことを目的としました。
養殖ブリに対しては、キノコ栽培に用いられた廃棄菌床の抽出液を飼料に添加することで、エビ・カニについては、キノコ食用部の抽出液を混ぜた海水で、活け締め前の30分間泳がせることで、その効果を確認しました。なお、強いポリフェノールオキシダーゼ活性阻害を端的に示す、すりおろしりんごの褐変を防ぐ様子についてもポスターに掲載しました。

食用キノコ水溶性成分が食品の黒変を防止する! ~安全、安心な黒変防止技術~

食用キノコ水溶性成分が食品の黒変を防止する! ~安全、安心な黒変防止技術~

日本沿岸に生息するヒトデ類の有効利用に関する研究

研究者氏名石崎 松一郎
所属東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科生体物質化学研究室
出展属性第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京 2011年7月27日(水)~29日(金)

日本沿岸には300種類を超える様々なヒトデ類が生息しているが,それらの大部分は埋め立てや焼却処分によって廃棄されている.これらのヒトデ類を有効利用するために,我々の研究グループはヒトデ類が有する生理活性成分の一種であるステロイドサポニンに着目し,その機能解明を行なっている.今回,日本沿岸に広く生息しているキヒトデおよびクモヒトデからサポニンをそれぞれ抽出し,抗菌活性およびストレス緩和作用を調べたところ,カビなどの真菌に対する抗菌活性は両者のヒトデで異なること,マウスに対する抗ストレス作用は両ヒトデでともに確認されることを明らかにした.このようなヒトデの機能をさらに詳細に解明することによって,近い将来ヒトデの新規有効利用法を確立し,ヒトデの廃棄問題に一石を投じたいと考えている.

日本沿岸に生息するヒトデ類の有効利用に関する研究

日本沿岸に生息するヒトデ類の有効利用に関する研究

NMRによるイヌリンのクリーム化機構の解明

研究者氏名松川 真吾
所属東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 食品保全機能学講座
出展属性第二回水産海洋プラットフォーム・フォーラム (2010年2月15日)

漁場の水質浄化・水域管理を目指し,海洋環境から単離した微生物を用いた海洋および沿岸域のバイオレメデイエーション技術を提案する.これまでに,PCBやダイオキシン等の有害かつ難分解性の有機化合物を分解する微生物を用いた環境修復方法については様々なものが既に報告されている.しかし,海洋のような塩分を含む環境下では対象となる有機化合物を分解する能力が無いか,その能力に乏しい場合が多い.これに対し,本研究で開発された耐塩性を有するSN-3 菌を用いたバイオレメデイエーションは塩存在下での環境有害物質の分解・無害化を可能にする.魚の品質は生息する環境,特に水質に大きく影響されるが,本研究で提案する方法により,魚の棲息水域を浄化することが期待される.そして,清浄化された水域で漁獲された魚を鮮度とおいしさを保ったまま消費者の食卓まで届けるためには,適切な流通管理システムが必要である.私達はこのようなニーズにも応えるために,温度履歴と鮮度を可視化するツール(バイオサーモメーターと呼称,BTMと略称)を開発した. BTMは,臭いや見た目など人の五感に頼った従来の曖昧な指標ではなく,積算温度と鮮度指標K値といった科学的指標に基づいた鮮魚管理を可能とする.上記2つの技術を利用することにより,海から食卓まで,トータルな食環境を管理し,より安全安心な魚を供給するシステムが構築できると思われる.

NMRによるイヌリンのクリーム化機構の解明

NMRによるイヌリンのクリーム化機構の解明

Anti-inflammatory activity of Dictyopteris undulata on Acute Inflammation in animal models(シワヤハズの抗炎症作用)

研究者氏名小山 智之
所属東京海洋大学大学院ヘルスフード科学講座
出展属性第二回水産海洋プラットフォーム・フォーラム (2010年2月15日)

海藻シワヤハズの粗抽出物が抗炎症作用を有する可能性を動物実験で見いだした。八丈島沿岸で採集したシワヤハズのメタノール抽出物を予め経口摂取することで、マウスの足に実験的に引き起こした浮腫(腫れ)の形成を有意に抑制した。浮腫は白血球を介する炎症反応によって形成されることから、局所的な過剰炎症のモデルとして抗炎症作用の評価に用いられている。さらに培養細胞を用いた実験により、炎症時に白血球から放出される炎症性マーカーである一酸化窒素(Nitric Oxide: NO)や組織壊死因子(TNFα)などの産生を抑制することが示されたことから、これら因子の放出を抑制することで、シワヤハズ抽出物が生体においても抗炎症作用を有することを示した。これら作用を指標に活性成分を単離したところ、既知物質ゾナロールおよびその類縁体が活性本体であることが明らかとなった。このゾナロールについてはin vitroでの抗菌作用とNO産生抑制作用が報告されているが、これら物質およびシワヤハズの抽出物がin vivoにおいて抗炎症作用を有することを示した報告は無く、興味深い研究成果であると考えている。

Anti-inflammatory activity of Dictyopteris undulata on Acute Inflammation in animal models(シワヤハズの抗炎症作用)

Anti-inflammatory activity of Dictyopteris undulata on Acute Inflammation in animal models(シワヤハズの抗炎症作用)

イカ由来リン脂質からのリゾホスファチジルセリンの調製

研究者氏名小山 智之
所属東京海洋大学大学院ヘルスフード科学講座
出展属性第二回水産海洋プラットフォーム・フォーラム (2010年2月15日)

ホスファチジルセリン(PS)とドコサヘキサエン酸(DHA)は、脳において生理機能を発揮する物質として注目されている。このうちPSは、大豆のホスファチジルコリン(PC)から工業的に生産されたものが主に機能性食品素材として利用されている。さらに近年では、PSなどの分子内に二つの脂肪酸を有するリン脂質から脂肪酸を一つ外したリゾリン脂質の優れた機能性が期待されている。本研究では、リゾリン脂質のなかでもDHA結合型リゾホスファチジルセリン(DHA−LPS)を、ホスホリパーゼA1(PLA1)とホスホリパーゼD(PLD)を用いて調製する方法を検討した。DHA−LPSの調製方法は、PLA1とPLDの反応順序により2とおりが考えられる。そこで、2つの反応系路におけるDHA−LPS生成量の比較を行なった。酵素反応を組み合わせることでPCからLPSを産生する方法について、実際の調整条件の検討を行った研究はこれまでに無い。これら検討により工業レベルでのLPS(リゾホスファチジルセリン)の効率的製造が達成されれば、新しい機能性素材の安定供給の可能性を高めることから、興味深い研究成果であると考えている。

イカ由来リン脂質からのリゾホスファチジルセリンの調製

イカ由来リン脂質からのリゾホスファチジルセリンの調製

ヒジキの骨粗鬆症予防作用

研究者氏名小山 智之
所属東京海洋大学大学院ヘルスフード科学講座
出展属性第二回水産海洋プラットフォーム・フォーラム (2010年2月15日)

海藻ヒジキの粗抽出物が骨粗鬆症を予防する可能性を動物実験で見いだした。乾燥ヒジキのメタノール抽出物を1ヶ月間摂取することで、骨粗鬆症モデルマウスで引き起こされる骨量減少が抑制された。さらに培養細胞を用いた実験により、骨組織を溶かす破骨細胞の分化を抑制することと、骨組織を形成する骨芽細胞の働きを活発化することが示されたことから、ヒジキ抽出物は骨吸収と骨形成の両方に作用することで骨代謝のバランスを保ち、骨組織の減少を抑制している可能性が示された。市販の食用乾燥ヒジキから得られることから機能性食品としても応用可能であると考えている。このヒジキ抽出物中の活性成分については解析中であるが、メタノール抽出物でも充分な活性を示すことからカルシウム等のミネラルではなく、ほかの成分が関与していると推定される。ヒジキの骨粗鬆症予防作用についての実験データはこれまでに無く、興味深い研究成果であると考えている。

ヒジキの骨粗鬆症予防作用

ヒジキの骨粗鬆症予防作用

打ち上げ海藻の有効利用 -熱水抽出物のミネラル、多糖類、抗酸化活性-

研究者氏名久田 孝
所属東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 食品保全機能学講座
出展属性第二回水産海洋プラットフォーム・フォーラム (2010年2月15日)

能登半島沿岸では様々な海藻が繁茂し、とくにホンダワラ類は良質な藻場を形成する上で重要である。その一部は流れ藻となっても、小型動物に生育環境を提供しながら、浜に打ち上げられる。冬から夏に打ち上げられるツルアラメ、クロメ、アカモク等の褐藻類は食用として採取されるが、食用以外の海藻や食用に適さない季節の海藻(図1)は、一部が肥料として用いられるものの、大半はゴミとして地元住民によって処分されている。本研究では、そのほとんどが有効利用されていない秋季の打ち上げ海藻について、有効活用の可能性を検討するために、熱水抽出液中のイオン(ミネラル)、水溶性多糖類含量や抗酸化特性等について検討した。

打ち上げ海藻の有効利用 -熱水抽出物のミネラル、多糖類、抗酸化活性-

打ち上げ海藻の有効利用 -熱水抽出物のミネラル、多糖類、抗酸化活性-

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