水圏動物皮から抽出された糖ペプチドの抗アレルギー活性

糖鎖は核酸およびタンパク質に次ぐ「第三の生命鎖」として近年医療への応用が期待されている。しかしながら,糖鎖構造の複雑さなどの理由から糖鎖に関する研究は遅れている。また,従来の糖鎖研究は陸上動物に焦点を当てたものがほとんどであり,水圏動物の糖鎖の機能性を調べた研究例は極わずかである.そこで,本研究では水圏動物の糖鎖を対象とし,その機能性の解明を行うこととした.ゼロエミッションの観点から試料には大部分が廃棄されている皮を用いることとし,皮由来糖鎖のヒアルロニダーゼ阻害活性および肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用を調べたところ,皮由来糖ペプチドに抗アレルギー作用があることが明らかとなり,新たな抗アレルギー薬としての応用の可能性が期待されるところである.

水圏動物皮から抽出された糖ペプチドの抗アレルギー活性

水圏動物皮から抽出された糖ペプチドの抗アレルギー活性