海藻ヒジキの粗抽出物が骨粗鬆症を予防する可能性を動物実験で見いだした。乾燥ヒジキのメタノール抽出物を1ヶ月間摂取することで、骨粗鬆症モデルマウスで引き起こされる骨量減少が抑制された。さらに培養細胞を用いた実験により、骨組織を溶かす破骨細胞の分化を抑制することと、骨組織を形成する骨芽細胞の働きを活発化することが示されたことから、ヒジキ抽出物は骨吸収と骨形成の両方に作用することで骨代謝のバランスを保ち、骨組織の減少を抑制している可能性が示された。市販の食用乾燥ヒジキから得られることから機能性食品としても応用可能であると考えている。このヒジキ抽出物中の活性成分については解析中であるが、メタノール抽出物でも充分な活性を示すことからカルシウム等のミネラルではなく、ほかの成分が関与していると推定される。ヒジキの骨粗鬆症予防作用についての実験データはこれまでに無く、興味深い研究成果であると考えている。

ヒジキの骨粗鬆症予防作用

ヒジキの骨粗鬆症予防作用