マグロなどの赤身肉は、その鮮やかな赤色が食欲や購買意欲に大きく関係している。この赤色は肉に含まれるミオグロビンという色素タンパク質の状態に左右される。ミオグロビンが酸素と結合している状態(オキシミオグロビン)が好ましい色合いであるが、それが酸化反応によってメトミオグロビンという状態になると褐色に変色してしまう。この変色の度合いを示す指標をメト化率といい、赤身肉の重要な品質指標として知られている。現在、メト化率は肉抽出液の吸光度から算出されるが、本研究では既往の方法とは異なるSoret帯と呼ばれる400nm付近の吸収帯のピーク位置を用いて評価する手法を開発した。本手法は従来法よりも、測定方法が簡便で、再現性に優れ、測定感度が高く、なおかつ少量のサンプルでも測定可能、など多くの利点を持つ。