東京海洋大学 産学・地域連携推進機構が開催する「全国水産都市フェア」は、水産海洋プラットフォーム事業部門の活動の一つである「地産都消事業」において実施していたものです。 開催のきっかけは、東京水産大学地域共同研究センターの時代から、全国の皆様から「技術相談室」に寄せられていた、地域産品の販路開拓の相談でした。教育・研究機関である大学にあって、販路開拓のようなことにはなかなか力になれないと思っていましたが、とりあえず出来るところから始めようと企画したのが「全国水産都市フェア」です。 そもそも、東京海洋大学品川キャンパスでは、東京水産大学の時代から、大学祭「海鷹祭」で魚介類の販売が積極的に行われておりました。近所の方たちが買い物かごを下げて来場するような大学祭だったのです。その良き伝統を活用したのが「全国水産都市フェア」なのです。 当初、産地の方に会場までお越しいただき対面販売する方式と、産地から商品をお預かりして機構スタッフで販売を代行する方式を併用して開催しておりました。実際にモノを売ってみると、お客さんとのやり取りの中で商品に対して様々な発見があるものですが、販売代行方式だとそのことを産地にフィードバックしてもなかなか伝わらないという悩みを抱えました。そこで、第4回からは思い切って、産地の皆様に会場までお越しいただく方式のみで開催することにしました。 わずか3日間、海鷹祭全体でも来場者数1万5千人前後の催し物ですから、大きな売り上げは期待できません。出店コストの負担も大変です。それでも都市部住民との交流や、産地PR、産品PRに価値を見出していただける産地の皆様に出店をしていただくことで、11年間の活動を継続することができました。 *平成24年3月には、これらの地産都消事業の活動が評価されて、都市と農山漁村のオーライ(往来)の活性化事例を表彰する都市と農山漁村の共生・対流表彰事業「第9回 オーライ!ニッポン大賞」農林水産省、都市と農山漁村の共生・対流推進会議(オーライ!ニッポン会議))で大賞を受賞しました。