現在、日本の食品ロスは年間約500万~900万トンと推計され、これは食用向け農林水産物の約5~10%、食品由来の廃棄物の約30~50%を占めると言われている。この問題を解決する有力な手段の一つとして冷凍が挙げられる。冷凍は、ほぼあらゆる食品に対して、タンパク変性等の不可逆変化を最小限に抑えながらシェルフライフを延長できるためである。だが一般に、冷凍はエネルギー多消費型の保存技術であり、持続的発展可能社会を目指す潮流にはそぐわないと考えられがちである。しかし実際には、食品ロスに伴う環境負荷が減少させられれば、冷凍保存のライフサイクルでの環境負荷は、他の保存法よりも小さくなる可能性がある。本研究では、ハンバーグを対象として、チルドと冷凍の2通りの流通形態のLCAを行い、両者の環境負荷の定量的な比較を試みる。

食品廃棄を考慮した凍結食品の環境影響評価

食品廃棄を考慮した凍結食品の環境影響評価