その他の研究グループ等」カテゴリーアーカイブ

伊豆赤沢海洋深層水からの有用酵母の探索

2005年(H17)より「海洋生物を用いた健康産業へ応用」というテーマで東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科応用微生物講座の今田教授と共同研究を行っている。現在は水深800m(日本最深)から取水される伊豆赤沢深層水中の微生物について研究中である。
今回は産業分野に対する有用微生物の研究にあたり、海洋深層水の一次ろ過装置内にセットしているバッグフィルターを探索源としてヒトの生活に長いつながりを有する酵母の探索と分離を行い、分離株については種の同定を行った。さらに分離された全ての株の培養上清に対して、ヒトの美容・健康分野を想定した機能性評価を試みた。その結果これまで分離した酵母85株のうち7株に美白作用が、また別の9株に抗酸化作用が確認された。
一般に海洋深層水中には微生物が少ないと考えられているが、これまでの我々の研究では生物量としては確かに少ないものの、生物種としてはむしろ表層よりもバラエティーに富んでおり、さらに表層とは異なるユニークな微生物が存在も期待される。
今後さらにこれら海洋深層水中の微生物の中から、産業利用上の有望株について研究を継続して行う予定である。

伊豆赤沢海洋深層水からの有用酵母の探索

伊豆赤沢海洋深層水からの有用酵母の探索

海洋微生物を用いた生鮮素材の褐変防止効果

海洋環境から分離した糸状菌Trichoderma sp. H1-7 株が、その培養上清中にチロシナーゼインヒビターを生産することが、これまでの研究から分かっている。今回の報告においては、本培養上清を用いて、様々な生鮮素材を浸漬処理することで、酵素的褐変を防止し、色調を保つ効果を確認した。そのため、本培養上清は、生鮮素材が有する付加価値の維持に有効と思われた。

海洋微生物を用いた生鮮素材の褐変防止効果

海洋微生物を用いた生鮮素材の褐変防止効果