マグロ・カジキ類の好漁場が広大な海洋の何処で形成されるかを正確に知る事が出来れば、漁業効率を向上させる事ができるだけでなく、資源量のより正確な推定を行う事が可能となる。海面水温情報で得られる水温に関する情報は、浮魚類が適水温の範囲で棲息する傾向をもつため、有力な漁場選定要素となる。また、比較的深い水深でも回遊を行うマグロ・カジキ類にとっては、表面の情報だけでなく、海洋内部の海水密度構造に強く影響を受けた海面の凹凸の情報(海面高度)も有益な情報といえる。加えて、海面高度情報は、海面の流れを与え得るため、大規模な流れ場の特徴と、漁場とを関係づけるのに用いることができる。
「漁業関連」カテゴリーアーカイブ
生物協調型水中ロボットBA-1
BA-1はH19〜H21に購入した備品等を組み合わせることで構築されました。
水深1,000mまで潜ることができ、全自動で水中を観測することができる自律型の水中ロボットです。
生物協調型としての特徴は、水中の魚に刺激を与えて、その反応をモニタする機能を備えていることです。
高度な水中環境モニタリングや海底の観測が可能です。
搭載装置
<魚や環境をモニタするもの>
・ハイビジョンカメラ
・高解像度デジタルカメラ
・音響カメラ
・溶存酸素計
・サイドスキャンソーナー
<航法装置等>
・慣性航法装置
・USBL水中音響測位システム
・水中通信ネットワークシステム
・GPS
・ドップラ式速度計
・ペンシルビームプロファイラ
<魚に刺激を与えるもの>
・水中自発給餌システム
・カラーマトリクスLED照明
・水中スピーカ
バイオセンサの海洋水産分野への応用
近年,食の安全という観点から魚の供給源となる養殖分野においても,健全な魚の生産が推進されています.すなわち,安心・安全な魚を市場に送り出すという観点から,養殖魚の健康診断法の確立が最近になって注目されています.私達の研究室では,数年前より魚類の迅速簡便な健康診断を実現するために,魚類の血糖値等の血液成分をはじめ,魚病,産卵予測のモニタリングが可能なバイオセンサの開発研究に取り組んできました.ここでは,これら項目を迅速簡便に測定できる新しいバイオセンサ技術について紹介します.
LED漁灯で省エネ
イカ釣り漁業,サンマ棒受網漁業では灯光を利用して操業が行われる。これまで,漁獲量の増大を目標に,「集魚灯」の大光量化が進んできたが,近年の燃油料の高騰や光量規制に伴って,省エネ化の動きが進んでいる。
本研究では,サンマ棒受網漁船において,従来の白熱灯・メタルハライド灯からエネルギー消費の少ないLED灯に変更して,燃油消費量の低減と操業の効率化を確認した。
イカ釣り漁業,サンマ棒受網漁業では灯光を利用して操業が行われる。これまで,漁獲量の増大を目標に,「集魚灯」の大光量化が進んできたが,近年の燃油料の高騰や光量規制に伴って,省エネ化の動きが進んでいる。
本研究では,サンマ棒受網漁船において,従来の白熱灯・メタルハライド灯からエネルギー消費の少ないLED灯に変更して,燃油消費量の低減と操業の効率化を確認した。
光ファイバーを利用したニードル型バイオセンサの開発
食品・医療分析,環境計測等の分野において,目的物質を迅速,簡単に試料を直接かつ非破壊的に測定できるシステムの開発が望まれている.そこで本研究室では,以下に示すような新しいバイオセンサの開発を試みた。
浅海にアワビ牧場を作る
アワビ種苗放流の初期減耗を防止するためのネット保育礁を提案する。さらにネット保育礁を組み合わせることでより高度なアワビ漁礁を構築することを提案する。
GPSと魚群探知機を用いた沿岸域詳細海底地形計測に関する研究
海洋生物の生態・行動や漁業における漁獲の成否は,海底地形と密接な関係があるとされる。海底地形図に必要な水深データは,一般的にマルチナロービーム超音波測深器を用いて計測される。しかし,こうした測器を搭載した調査船は少ない上に,調査船自体もサンゴ礁など岩礁性の沿岸域では調査が困難である。一方,船舶航行にとってあまり重要でない浅海域の水深データは乏しく,詳細な海底地形を把握する事ができない。そこで本研究では,安価なDifferential GPS(DGPS)と魚群探知機を喫水の浅い小型の和船等に装着して,位置と水深計測値をパソコンに取り込む比較的簡便なシステムを構築し,3次元海底地形図の作成を試みた。その結果,海上保安庁が発行している海底地形図と同等レベルの海底地形図を作成することが可能なことを示した。