日本沿岸に生息するヒトデ類の有効利用に関する研究

日本沿岸には300種類を超える様々なヒトデ類が生息しているが,それらの大部分は埋め立てや焼却処分によって廃棄されている.これらのヒトデ類を有効利用するために,我々の研究グループはヒトデ類が有する生理活性成分の一種であるステロイドサポニンに着目し,その機能解明を行なっている.今回,日本沿岸に広く生息しているキヒトデおよびクモヒトデからサポニンをそれぞれ抽出し,抗菌活性およびストレス緩和作用を調べたところ,カビなどの真菌に対する抗菌活性は両者のヒトデで異なること,マウスに対する抗ストレス作用は両ヒトデでともに確認されることを明らかにした.このようなヒトデの機能をさらに詳細に解明することによって,近い将来ヒトデの新規有効利用法を確立し,ヒトデの廃棄問題に一石を投じたいと考えている.

日本沿岸に生息するヒトデ類の有効利用に関する研究

日本沿岸に生息するヒトデ類の有効利用に関する研究