海洋微生物燃料電池組込用アノード電極に使用するTiO2半導体電極について、皮膜要素であるTiO2粉体の純度が電極特性に及ぼす影響を調べた。TiO2純度95.2%では、光照射後に電極表面に斑点状のしみが発生し、かつ光電位の低下効果について抑制作用が現れた。この「しみ」の部分を走査型電子顕微鏡ならびに、エネルギー分散型X線分析装置を使って調べたところ、不純物元素であるSiやZrの酸化物が検出された。また、表面電位プローブにより表面電位分布を測定したところ、この部分で局所的に電位が高い(電位低下の抑制作用が大きい)ことがわかった。以上の結果から、繰り返し光照射を行うTiO2電極においては、TiO2純度を高める必要があり、TiO2純度99.9%の場合は、上記の発生が起こらないことが確認された。これにより、安定的な発電素子として、本TiO2電極が使用可能となった。