食品製造・加工関連

水圏植物を原料とするバイオエタノールの製造-VII ~海藻を原料としたエタノール生産~

研究者氏名高木俊幸・足立紗希・上田孝太郎・松田隆志・石田真巳・浦野直人(海洋大)・ 内田基晴(水研セ瀬戸内水研)・松嶋良次(水研セ中央水研)・武田忠明・三上加奈子(道中央水試)
所属東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科(代表者)
出展属性アグリビジネス創出フェア2011 2011年11月30日(水)~12月2日(金)

地球温暖化や原発事故により、自然再生エネルギーに大きな期待がかけられている。本研究は、海洋の未利用バイオマスである海藻を原料としたバイオエタノール生産を行うことを目的としている。ここでは、緑藻(アオサ)、褐藻(アカモク、スジメ)、紅藻(オゴノリ)を使用した。特にスジメに関しては、北海道水試にてアルギン酸を抽出した残渣を用いたバイオエタノール生産を行った。さらにバイオエタノール生産残渣は広島大へ送付し、メタン生産へと供することで、褐藻類のカスケード利用を試みた。
海藻の糖化により生成したグルコースは、海藻重量当たりアオサ(8.5%)、アカモク(5.5%)、スジメアルギン酸抽出残渣(20.4%)であり、カスケード利用の有効性が実証された。事前の研究で高発酵であることが実証されている各酵母株を使用したところ、海洋由来Saccharomyces cerevisiae C19株の発酵効率が最大で、原料重量当たりアオサ(5.7%)、アカモク(5.5%)、スジメアルギン酸抽出残渣(9.0%)であった。
発酵液の蒸留により、精製エタノール(約90%)をえることができた。以上、本研究により海藻原料からのバイオエタノール生産の基礎技術を確立することができた。今後は残存する糖分をより効率的に発酵する技術を開発して行く予定である。

水圏植物を原料とするバイオエタノールの製造-VII~海藻を原料としたエタノール生産~

水圏植物を原料とするバイオエタノールの製造-VII~海藻を原料としたエタノール生産~

酢酸洗浄合液に含まれるCd除去方法の検討

研究者氏名任 恵峰 ら
所属東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科
出展属性アグリビジネス創出フェア2011 2011年11月30日(水)~12月2日(金)

【目的】 本研究ではホタテガイ加工廃棄物を弱酸水溶液で洗浄する際に、生じた弱酸洗浄合液に含まれるCdをキレート繊維で除去する方法を検討した。
【方法】 (1)確立した条件でホタテガイ軟体廃棄物を2%酢酸水溶液で洗浄し、生じた洗浄合液を試料とした。(2)洗浄合液にキレート繊維を0.5~4%加え、2又は5時間攪拌し、Cdを取り除くためのキレート繊維添加量および処理時間を検討した。(3)使用済キレート繊維の再生にはまず20倍2MHClで処理し、続いて40倍水で3回処理し、再生済キレート繊維として使用した。
【結果】 (1)洗浄合液の窒素量は0.48%であったが、キレート繊維で処理したところ、ほとんど損失しなかった。(2)洗浄合液に含まれるCd濃度は1.77mg/kgであったが、0.5~4%キレート繊維で5時間処理した場合、Cdが93%以上除去され、Cd ppm/N1%が0.27ppm以下であった。2時間処理した場合、Cdが90%以上除去され、0.5%キレート繊維の場合を除き、Cd ppm/N1%が0.35ppm以下であった。(3)キレート繊維の使用回数を検討したところ、1%キレート繊維および2時間の処理条件で、約18回使用できることがわかった。今後高濃度Cdを含む最終廃液からCdの分離方法を合わせて、ホタテガイ加工廃棄物の全体の処理コストを抑える条件を更に追究する予定である。

 

酢酸洗浄合液に含まれるCd除去方法の検討

酢酸洗浄合液に含まれるCd除去方法の検討

 

冷凍すり身を用いた非加熱ゲルの製造方法に関する研究

研究者氏名阿部 周司 (大迫一史)
所属東京海洋大学大学院 
出展属性アグリビジネス創出フェア2011 2011年11月30日(水)~12月2日(金)

一般的な水産練り製品は,魚肉を塩擦り後,これを加熱してゲル化させる。本研究では,この加熱工程を経ず代わりに酢酸溶液に浸漬することで得られる非加熱ゲルについて研究した。

本研究の非加熱ゲルを得るためには,一定量以上の卵白の添加と坐り工程が必須であることを明らかにした。また,卵白の添加は,これに含まれるプロテアーゼが酢酸溶液浸漬中に生じる魚肉由来の酸性プロテアーゼの活性を阻害することが推察された。

冷凍すり身を用いた非加熱ゲルの製造方法に関する研究

冷凍すり身を用いた非加熱ゲルの製造方法に関する研究

環境負荷低減および防災対応型シーフードのロングライフ化

研究者氏名濱田 奈保子
所属東京海洋大学 大学院海洋科学技術研究科 食品流通安全管理専攻
出展属性第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京 2011年7月27日(水)~29日(金)

震災発生以降,食品の貯蔵・品質保持技術への関心が高まっている.当研究室では災害時の備蓄という概念に加え,食品製造時における地球環境への負荷の抑制及び食に対する新たな付加価値の提供を目指して,脱水シートおよび通電加熱を用いたシーフードのロングライフ化技術を提案する.脱水シートは,塩蔵や乾燥など,従来の手法とは異なった水分コントロールによる食品の貯蔵技術であり,生鮮食品の品質の変性を抑えることが可能である.また通電加熱は,レトルトをはじめとした従来の加熱殺菌技術と比較して,環境への負荷が少なく,従来の手法に匹敵する品質の製品が製造可能である.このような,一貫した食品の貯蔵性向上をテーマとした研究は,今後の食糧事情に大きく貢献するものであるといえる.

ポスタータイトル 環境負荷低減および防災対応型シーフードのロングライフ化

ポスタータイトル 環境負荷低減および防災対応型シーフードのロングライフ化

里海乳酸菌・里海酵母

研究者氏名久田 孝
所属国立大学法人東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科食品微生物学研究室
出展属性第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京 2011年7月27日(水)~29日(金)

わが国の長い海岸線には多種多様な景観が存在している。環境省は里海とは「人手が加わることにより生物生産性と生物多様性が高くなった沿岸海域」と提唱している。そこは、人と自然の領域の中間点にあるエリアであり、里山と同じく人と自然が共生する場所であり、伝統的な漁業、社会組織、食文化が生まれ、伝承されてきた場所である。環境中に生息している微生物は、基本物資の循環に大きく貢献しており、その一部は土壌環境や水産物、発酵食品、残渣・廃液処理等を介して、人々の暮らしと係わっている。近年、有用な微生物の探索のために、海外の発酵食品や極限環境中からの微生物探索が注目されているが、われわれは身近な沿岸域=里海環境から分離される乳酸菌および酵母のうち人間にとって有用な機能を持つものを里海乳酸菌・里海酵母と位置づけ、基礎から応用までの研究をつづけたいと考えている。今回はこれまでの研究成果の一部を紹介する。

里海乳酸菌・里海酵母

里海乳酸菌・里海酵母

食用キノコ水溶性成分が食品の黒変を防止する!~安全、安心な黒変防止技術~

研究者氏名大島 敏明
所属東京海洋大学 海洋科学部 食品生産科学科 食品栄養化学研究室
出展属性第13回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京 2011年7月27日(水)~29日(金)

食用キノコより抽出した水溶性成分による、食品の褐変、黒変防止技術についての研究です。
流通・販売の過程で問題となる、エビ・カニなどの甲殻類、および養殖ブリなどの褐変、黒変を防ぐことを目的としました。
養殖ブリに対しては、キノコ栽培に用いられた廃棄菌床の抽出液を飼料に添加することで、エビ・カニについては、キノコ食用部の抽出液を混ぜた海水で、活け締め前の30分間泳がせることで、その効果を確認しました。なお、強いポリフェノールオキシダーゼ活性阻害を端的に示す、すりおろしりんごの褐変を防ぐ様子についてもポスターに掲載しました。

食用キノコ水溶性成分が食品の黒変を防止する! ~安全、安心な黒変防止技術~

食用キノコ水溶性成分が食品の黒変を防止する! ~安全、安心な黒変防止技術~

海洋微生物を用いた生鮮素材の褐変防止効果

研究者氏名櫻庭清香(ティーエスアイ)/今田千秋(海洋大)
所属株式会社ティーエスアイ、東京海洋大学 大学院
出展属性第3回 東京海洋大学 水産海洋プラットフォーム・フォーラム 2011年2月10日(木)

海洋環境から分離した糸状菌Trichoderma sp. H1-7 株が、その培養上清中にチロシナーゼインヒビターを生産することが、これまでの研究から分かっている。今回の報告においては、本培養上清を用いて、様々な生鮮素材を浸漬処理することで、酵素的褐変を防止し、色調を保つ効果を確認した。そのため、本培養上清は、生鮮素材が有する付加価値の維持に有効と思われた。

海洋微生物を用いた生鮮素材の褐変防止効果

海洋微生物を用いた生鮮素材の褐変防止効果

ガンガゼ生殖腺の有効利用法の開発

研究者氏名金子 浩大、 大迫 一史
所属東京海洋大学海洋科学部
出展属性ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京2010 東京海洋大学ブース(7月21日(水)~7月23日(金))

磯焼けの原因動物であるガンガゼの生殖腺を食用とするため,これの呈味の特徴を明らかにした。

また,周年で最も呈味性の優れる旬の時期を決定した。

ガンガゼDiadema setosum 生殖腺の有効利用法の開発

ガンガゼ生殖腺の有効利用法の開発

ホッコクアカエビを原料としたかまぼこの開発

研究者氏名雨宮 弘和 ・ 大迫 一史
所属東京海洋大学 海洋科学部 海洋環境学科
出展属性ジャパン・インターナショナル・シーフードショー東京2010 東京海洋大学ブース(2010年7月21日(水)~7月23日(金))

未利用ホッコクアカエビを原料としたかまぼこの製造技術開発を本研究の目的とする。

ホッコクアカエビを原料としたかまぼこの開発

ホッコクアカエビを原料としたかまぼこの開発

加熱調理の最適制御

研究者氏名酒井昇、福岡美香
所属東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科食品品質設計学講座食品熱操作工学研究室
出展属性第2回 東京海洋大学 水産海洋プラットフォーム・フォーラム 2010年2月15日(月)

本研究室では,調理・加工・貯蔵における熱的操作を制御し,安全かつ高品質な食品を生産することを目指している.その手法は,伝熱解析をベースに,デンプン系食品から魚肉蓄肉に至るまで,対象食品の熱操作による変化の記述までを視野に入れた研究を展開している.今回のポスターでは、特にA.魚の焼成調理における焼き色のシミュレーション、および、B.肉の低温調理におけるタンパク質変性分布のシミュレーションについて紹介する。過度な加熱は、ヒトとって危害となる成分を生成することは知られており、本研究が示す加熱調理過程における伝熱および反応のシミュレーションによって、過不足ない加熱調理法を提供できるようになる。

調理・加工工程における熱媒体の挙動,素材の伝熱・物質移動・反応を予測するためのモデルが提供されることで,高品質な調理ができる加熱機器の設計や制御に役立ち,また必要十分な加熱処理を行うことで調理・加工における省エネルギー化も可能になる.

加熱調理の最適制御

加熱調理の最適制御

エビアレルゲンのステンレス表面への吸着特性

研究者氏名萩原 知明
所属東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科食品品質設計学講座食品プロセス工学研究室
出展属性第2回 東京海洋大学 水産海洋プラットフォーム・フォーラム 2010年2月15日(月)

近年,食物アレルギー患者の増加に伴い,アレルギー食品不使用食品,アレルゲン除去食品の製造・販売が行われるようになっている。こうした食品の製造は多品種, 少量生産であるため,製造設備の一部を通常の食品と共有することが多いのが実状である。その場合,アレルゲンの意図しない混入が生じることのないよう,使用機器を十分に洗浄しておく必要があり,洗浄条件を合理的に設定するためには,機器表面に対するアレルゲン付着挙動を把握しておくことが重要である。しかしながら,水産物のアレルゲンについては研究例が非常に少ない。本研究では, 成人アレルギー原因食品の第1位であるエビに着目し, その主要アレルゲンのトロポミオシン(Tm)について,実際の食品に近い形態でのステンレス表面に対する付着挙動を調べた。

〔実験方法〕

ホッコクアカエビPandalus eousの身を蒸留水中または塩を含む緩衝液中(20mM HEPES,pH7.0)ですりつぶして得た抽出液1ml(タンパク質濃度1.5mg/ml)をステンレス粉末2g(比表面積0.57~0.58m2/g)と一緒にバイアル瓶に入れて密封し,25℃の恒温槽内で振盪した。2時間後,上澄み液中のTm濃度をELISA法で測定した。そして,初期濃度との差から,ステンレス表面への付着量を求めた。あわせて,BCA法でタンパク質のステンレス付着総量も測定した。

〔結果〕

蒸留水で抽出した場合,Tmの付着率が82.6%であるのに対して,タンパク質は43.9%に留まり,Tmは表面に比較的付着しやすいことが示唆された。また,付着したTmおよびタンパク質は,水洗浄で脱離しなかった。緩衝液で抽出したものは、抽出時の塩濃度を3%以上にすると,Tmとタンパク質の付着率はどちらも約60%程度となり,Tmの付着しやすさは失われた。

〔考察〕

吸着したタンパク質およびトロポミオシンは、水洗浄で脱離しないほど強固に付着しており,洗剤を用いる,たわしで擦る等の適切な洗浄方法を行わなければ,ステンレス表面に残存してしまう可能性が大であることが確認された。また,蒸留水で抽出した場合に見られるように,条件によっては,アレルギー原因物質であるTmが,ステンレス表面に選択的に付着残存する場合があることが明らかとなった。

以上,得られた知見はエビのアレルゲンを合理的に洗浄するための条件設定の一助になるものと考えられる。

エビアレルゲンのステンレス表面への吸着特性

エビアレルゲンのステンレス表面への吸着特性

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