[部門の活動概要]
東京海洋大学産学・地域連携推進機構イノベーションハブ推進部門では、現代社会における水産・海洋系の技術的課題を解決し、新技術・新産業を創造するために、産学官金及び地域が連携する結節点となるハブ機能を実現することを目指し、研究支援活動をおこなっています。
そのために、全国各地からの共同研究等を目的とした技術相談の受付、本学研究者との共同研究等の支援、本学研究者との競争的研究資金の獲得支援、大学研究成果を広く知っていただくための展示会等出展などの活動を行っています。

注)産学・地域連携を推進していますが、共同研究等を実施する場合は企業等法人の皆様の費用負担が必要となります。大学が独自に補助金制度を運用して、企業等法人の皆様の事業活動を御支援しているわけではありません。費用の確保が難しい場合、研究内容や規模によっては、共同して競争的研究資金の獲得を目指すことは行っています。

主な活動内容は以下のとおりです。

[研究内容の広報]
本学の研究内容を社会に活用していただくには、まず、知っていただくことが必要です。そのために、特に水産・海洋関連の展示会には積極的に出展しており、主に事業創出に積極的な企業に対して情報を発信しています。ここでの出会いが、共同研究に発展することもあります。

[技術相談]
主に企業や自治体、研究者の方々から、水産・海洋関連技術に関わる技術相談をホームページ上で受け付けています。現在、年間約250件程度の問い合わせをいただいています。ここから共同研究に発展することもあります。

[研究企画]
広く社会から寄せられた相談等や社会情勢から、研究テーマを設定し、研究者、企業、研究資金等を機構専任教員やURAがトータルでコーディネートします。プロジェクトを創出します。

[事業創出]
イノベーションハブ推進部門を、シーズとニーズを結ぶプラットフォームとして設定し、本学のURA、専任教員が共同研究や事業創出を目指し、コーディネートを展開しています。

本事業部門は、水産海洋系の連携をコーディネートするワンストップ窓口機能を果たし、イノベーションの創出に貢献します。

具体的には、
[研究に関する対応の例]
1) 共同研究等を前提とした企業・団体等からの技術相談の受付
2) 企業・団体等と大学研究者との面談の調整
3) 企業・団体等と大学研究者との共同研究内容の調整
4) 競争的研究資金等の獲得支援
5) 企業・団体等と大学との共同研究契約等の締結支援(知的財産・ABS対応部門)
6) 研究成果の知財化支援(知的財産・ABS対応部門)

[研究推進のための情報発信]
1) 学内への競争的研究資金の情報提供等
2) ホームページ等の整備
3) 大学研究成果紹介活動(展示会等への出展)

[水産海洋イノベーションコンソーシアム・水産海洋イノベーションオフィサ育成プログラム]
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の平成 26 年度科学技術人材育成費補助事業「科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業」研究支援人材育成プログラムの採択を受け、東京海洋大学、岩手大学および北里大学の 3 大学がコンソーシアムを組織し、新たな高度研究支援人材として通称:水産海洋イノベーションオフィサ(IOF)の育成を行っています。東京海洋大学では水産海洋IOF候補として産学・地域連携推進機構URAの能力向上に努めています。

[創発的海洋研究・産業人材育成プログラム]
将来の我が国の科学技術・イノベーションの基盤となり、社会課題の解決に資する研究を担う博士人材を育成することを目的として、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が実施する「次世代研究者挑戦的研究プログラム」(SPRING)に採択されました。東京海洋大学博士後期課程学生に対して、研究奨励費及び研究費の支給及び必要な支援プログラム等の組織横断的な構築を行うことにより、研究に専念できる環境を提供し、新海洋産業の創出を志向し、海洋社会の課題解決や社会変革に資する研究を遂行する、「創発的海洋研究・産業人材」を育成することを目的とします。産学・地域連携推進機構では、本事業の支援室が設置されたほか、採用者のキャリアパスの選択肢としてURAを検討できるように、水産海洋イノベーション育成プログラムの一部を提供しています。

[水産・海洋系産業イノベーション創造プラットフォーム]
農林水産省「知」の集積と活用の場®(外部リンクのホームページ)に参加している研究開発プラットフォームの一つです。
水産・海洋系の新技術を開発することで産業界の課題を解決し、既存事業の強化と新規事業を創出することを目標に、産学官金が一体となって活動を行っています。
当研究開発プラットフォームの参加者数は37大学・研究開発法人等・企業・公設試です(令和元年末)。

[イノベーションハブ推進部門のこれまでの歩み]
イノベーションハブ推進部門の活動は、大学統合前の東京商船大学海事交通共同研究センター、東京水産大学地域共同研究センターでの産学連携活動から始まります。平成15年度に両大学が統合し、各共同研究センターが社会連携推進共同研究センターに改編されました。同時に、文部科学省「大学知的財産本部整備事業」に採択され、知的財産本部が設置されました。知的財産本部では平成19年度まで学内研究成果の知的財産化・知的財産管理の仕組みづくりに取り組みました。

その後、平成20年度に社会連携推進共同研究センターと知的財産本部が統合されて産学・地域連携推進機構となりました。活動内容毎に部門が設置され、産学・地域連携については、本学両キャンパスの連携とキャンパス所在地域及び近隣地域連携を中心に活動する水工・エリア連携推進部門と、遠隔地等との広域連携を中心に活動する水産海洋プラットフォーム部門がその役割を担ってきました。水産海洋プラットフォームの活動は文部科学省「産学官連携戦略展開事業(戦略展開プログラム)、その後、文部科学省「イノベーションシステム整備事業-大学等産学官連携自立化促進プログラム-」に採択され、全国の水産・海洋関連地域との連携が推進されました。

さらに、平成26年度科学技術人材育成費補助事業「科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業」研究支援人材育成プログラムの採択を受け、東京海洋大学、岩手大学および北里大学の 3 大学がコンソーシアムを組織し、新たな高度研究支援人材として通称:水産海洋イノベーションオフィサ(IOF)の育成を行っています。東京海洋大学では水産海洋IOF候補として産学・地域連携推進機構URAの能力向上に努めています。

水工・エリア連携推進部門と水産海洋プラットフォーム部門は、それぞれの活動内容が整理され、共通するところが多くなったため、平成31年度の組織改編でイノベーションハブ推進部門として統合しました。

なお、水産海洋プラットフォーム部門で行っていた地産都消事業については、新たに設置されたサスティナビリティ推進部門の活動に位置付けられることになりました。