「ふるさと食材活用セミナー」は、水産海洋プラットフォーム事業部門の活動の一つである「地産都消事業」において実施していたものです。

開催のきっかけは、東京水産大学地域共同研究センターの時代から、全国の皆様から「技術相談室」に寄せられていた、地域産品の販路開拓の相談でした。教育・研究機関である大学にあって、販路開拓のようなことにはなかなか力になれないと思っていましたが、とりあえず出来るところから始めようと企画したのが大学祭での産地PRイベント「全国水産都市フェア」です。しかし、全国水産都市フェアは年に一度のイベントなので、もっと持続的な地域産品の消費を促す普及活動ができないものかと始めたのが「ふるさと食材活用セミナー(旧・地域産品メニュー開発セミナー)」でした。

この活動は、(株)ぐるなびとの共同研究事業として開催しました(平成21年度~平成23年度)。地域産品に興味をもっている都市部の飲食店のオーナー・料理人を対象に、水産都市・産地の皆様(生産者、加工業者、自治体関係者等)が産品をプレゼンテーションする機会を設け、あわせて有名シェフに地域産品を活用したメニュー開発をしてもらい、そのレシピや活用のコツを参加者で共有することで地域産品の活用を促すことを特徴とする企画でした。

よりよい開催方式を求めて試行錯誤しながら、この企画は各地の自治体関係者・生産者・事業者の皆様の協力により、延べ12回にわたって開催し、好評のうちに終了することができました。おかげさまで「ふるさと食材活用セミナー」を含む地産都消事業は、都市と農山漁村のオーライ(往来)の活性化事例を表彰する都市と農山漁村の共生・対流表彰事業「第9回 オーライ!ニッポン大賞」(農林水産省、都市と農山漁村の共生・対流推進会議(オーライ!ニッポン会議))で大賞を受賞しました。

この企画を検討・運営する中で得た知識や経験は、現在でも産学・地域連携推進機構の活動(研究成果の出口戦略の検討、六次産業化関連の事業、地方創生・地域振興関連の事業)に活かされています。