近年発達したICタグは、書き換えのできない固有のIDを持ちながら多くの情報を記録できるため、ブランド品や検査用商品を扱う業界では、これを証明書代わりに商品に内蔵する事で不正を排除できると期待されている。本研究では、特にマグロ延縄漁業を対象として、電子荷札と言われる“ICタグ”とGPSを組み合わせ、さらに、ICタグに書き込んだデータを低軌道通信衛星(ORBCOMM)を利用してほぼリアルタイムに情報管理基地(日本)に送信することによって、マグロ1尾ずつの漁獲情報を管理するシステムを構築する。獲れた場所(緯度経度)と漁獲日時を漁船名など管理に必要な情報とともに自動的に取得して、記録したICタグをマグロ魚体に固着する。さらに、消費者への生産履歴を開示できるよう、解体・分化されたマグロに対しても、バーコードや2次元バーコード(QRコード)を発行することによりことにより、漁獲現場からのマグロの商品履歴、操業管理のIT化を図った。