本研究室では,調理・加工・貯蔵における熱的操作を制御し,安全かつ高品質な食品を生産することを目指している.その手法は,伝熱解析をベースに,デンプン系食品から魚肉蓄肉に至るまで,対象食品の熱操作による変化の記述までを視野に入れた研究を展開している.今回のポスターでは、特にA.魚の焼成調理における焼き色のシミュレーション、および、B.肉の低温調理におけるタンパク質変性分布のシミュレーションについて紹介する。過度な加熱は、ヒトとって危害となる成分を生成することは知られており、本研究が示す加熱調理過程における伝熱および反応のシミュレーションによって、過不足ない加熱調理法を提供できるようになる。
調理・加工工程における熱媒体の挙動,素材の伝熱・物質移動・反応を予測するためのモデルが提供されることで,高品質な調理ができる加熱機器の設計や制御に役立ち,また必要十分な加熱処理を行うことで調理・加工における省エネルギー化も可能になる.